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                                          2007年6月  久保田 正

中国で高齢者がどのように生活しているのか、上海へ行った折に観察した状況を説明します。


1.車椅子の利用者

車椅子を介助してもらって街中を通行している高齢者をよく見かけた。車椅子は背折れのないタイプのものが普及しているようで、家族らしい人が押して賑やかな通りも通行していた。

            写真1 老街という古くからの繁華街を散策してる人
 
            写真2 新天地という若者向けの街を散策してる人
 
            写真3 老街の休憩所でのんびりしている高齢者
 

歩行補助車(シルバーカー)を押したり、杖で街の通りを歩いてる人は見かけなかった。
上海の交通事情を見ると、車優先の社会なので、例え歩行者信号が青で一般の歩行者が横断歩道を歩いていても車が無理に警笛を鳴らして横切ってくるので日本人には広い通りの横断はこわい。杖をついて高齢者が横断するのは危険と思われる。

蘇州という上海から離れた観光地で見た車椅子はパイプを折り曲げて作った車椅子であって、日本ではほとんど見かけないタイプのものであった(写真4)。

                         写真 4
 


2.杖

杖は、豫園近くの老街の土産屋のところで売っていた。中国風のデザインであるが、滑り止めもきちんとしてある。昔ながらのステッキタイプのものもある。
四点杖も売っていた。長さを伸縮できるタイプのものも揃っていた。

                         写真 5

しかし、前述のように杖を使って街を歩いてる人は見られなかった。車椅子を自分で押して歩いてている高齢者も数人見掛けた。


 

3.街の通り

街の通りで将棋等のゲームをしている人だかりがあった。多分、あまり恵まれない人々と思うが、古くからの家の2階に高齢者のグループが住んで、トイレは街の公衆便所へ行くという人々も見られた(中国人ガイドさんの話)。

                         写真 6
 


4.公園での体操

上海の街中の静安寺公園という大きい公園では、朝7時頃に行くと皆さん太極拳をやっていた。高齢者もたくさん集まって、ラジオ体操のようにゆっくり体をほぐしていた。指導者が
「イーアルサンスー(1、2、3、4)」
と掛け声を掛けていた。私も加わったが、とても体に良く気持ち良いもので、日本で流行すると良いと思った。太極拳というと日本では大変ゆっくりしたものと思いがちだが、そういう本式のものも少人数のグループでやっていたものの、ほとんどの人々は体操感覚で集まっていたようである。
女の人たちが音楽を掛けて旗をふって体操してるグループもあった。誰でも参加できるので、とても良い習慣だと思った。

                         写真 7

中国の人は姿勢がとても良く、高齢者も背筋がピンとしている。日本では前かがみの高齢者が多いので、この差は何故なのだろう、と思った。

 
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